
おはようございます。
定年を間近に迎えたYさんは、若手社員と話をしているとき、よく「あのころはよかった」と過去の栄光を話します。しかし、今の仕事にはあまり熱意を持って取り組んでいなかったため、若手社員は、またかと思いながら、Yさんの話を聞いています。
今置かれている状況に比べて、よかったと思う時代はあるかもしれませんが、この瞬間を大切にし、「今が一番輝いている」と思いながら、時折、昔を懐かしむくらいがよいでしょう。
社内では、
「経験者の過去の実績は、勉強になることも多いので、一概に悪いとは思いません。年輩者は、過去の栄光ばかり話すのではなく、経験を今に生かし、若者をうまく指導することが大切です。さらに、若者に歩み寄り、新しい情報を吸収すれば、一方通行ではないよい関係が築けると感じました」
「私は若手社員ですが、一緒に営業で回っているシニア社員の口から自慢話や苦労話をあまり聞いたことがありません。『目の前にある仕事に一生懸命に取り組んでいるため、過去を振っていられない』というのが口癖です。私もこの人のようになりたいと思っています」
「人が歳を取るのは仕方のないことです。確かに、昔はよいことも悪いこともありました。そのなかで、今の仕事に役立つことを若い人たちに伝えたいですし、悪かったことは反面教師の意味で伝えたいと思います。あまり自慢話に取られないように、話し方にも気を付けています」
という意見が出ました。
精神科医の香山リカさんは、年輩者が過去の栄光を語る理由について、次のように推測しています。「自分が若かった時代の文化を肯定することで、若さを失っていく不安から逃げようとしているのです。また、年輩者が若者に対して優位に立てるのは若者が知らない時代を体験しているからで、優越感を持ちたいからだと思います」
過去の栄光ばかりにしがみついていても、未来は開けません。今が輝いていると「あのころはよかった」が「あのころもよかった」に変わるはずです。
今日もみんなで「ついてる!ついてる!」