おはようございます。
江戸時代後期に活躍した絵師、酒井抱一は「江戸琳派」と呼ばれる様式の祖となり、数々の名作を生み出しました。代表作の「夏秋草図屏風」は、重要文化財に指定されています。さまざまな師に教えを受け、あらゆる画風を試し続けた彼の人生に、最も影響を与えたのが、尊敬してやまない絵師、尾形光琳です。しかし、光琳は抱一が生まれる45年も前にこの世を去っていたため、会って話すことは一度もありませんでした。
「昔、漫画家になりたかったとき、手塚治虫さんに憧れて絵を勉強しました。漫画家にはなれませんでしたが、絵は上達して、今仕事に生かせています。亡くなった後も、手塚さんは師のような存在に感じています」
「私にとって若くして亡くなった祖父は、写真でしか見たことがない人ですが、師といえる存在です。祖母や母から心の広いおおらかな人だったと聞き、すごい人だと思ったので、祖父のような人になりたいと思います」
「抱一は他の人に感じられなかった魅力を光琳に感じたのでしょう。そのような人に出会えることはたやすくありませんが、もしも見つけることができれば、目標が立てられ、具体的に実践するなかで、早く上達していくと思います。そのような目標を見つけられるよう努力します」
という意見が出ました。
直接会ったことはなくても尾形光琳がいなければ、抱一の絵師としての成功はなかったといっても過言ではありません。同じ時代を生きていなくても、尊敬する人物の存在は、人生を素晴らしい方向に導いてくれます。時には時空を超えた出会いが、あなたを変えることもあるのです。
今日もみんなで「ついてる!ついてる!」