『暮らしの手帖』は、戦後間もなく創刊された雑誌です。
普段の生活に「美」を取り入れるというコンセプトが、
主婦を中心にした女性たちの心を捉え、支持を得ました。
初代編集長、花森安治は、
撮影に使う座布団に、どうしても紅赤の布地が必要だと言い、
スタッフに色の見本を示します。
どこにも納得いく布地がなく、
特別に染めたもので撮影しました。
掲載されるのは白黒でしたが、
花森は数年後のカラー時代を見据え、
色にこだわったのです。
『暮らしの手帖』は現在も発行される息の長い雑誌となっています。
社内では、
「時代の変化が早いため、先を見据えた取り組みが重要視されるようになりました。花森さんのようにカラー時代の到来を見据えた対応のような視点を、自分でも見つけていこうと思いました」
「今、培っている能力が将来、どのようなことに生かせるかなかなか読めませんが、これからもどのような仕事でも対応できる能力を磨いていくことが大切です」
「花森さんは『雑誌に色を使うときがくる。そのときになって編集者が色の感覚がなかったら間に合わない』と言ったところから、将来につながる発想のできる人の育成に尽力したのではないかと感じました。今も発行を続ける息の長さにつながっているので、会社でも人材育成の指針の一つにします」
という意見が出ました。
これから10年で時代は大きく変わるはずです。花森編集長の考え方は、「今さえ乗り切ればいい」という気持ちで仕事をするのではなく、将来につなげる発想を持って仕事をすることの大切さを教えてくれるエピソードです。
今日もみんなで「ついてる!ついてる!」😄☀