【顧客満足度を上げる社員教育とは?】社内の悩みを解決する朝礼
2023年11月21日
コラム
今日のお悩み
Q 「顧客満足度向上を部の目標に決めたのですが、なかなか上手くいきません。そのための研修を行うと、しばらくは品質が上がるのですが、すぐに元に戻ってしまいます。継続的に、一人一人の仕事への意識を高めるにはどうすればいいでしょうか?」
A わかります。品質向上は重要な課題なだけに浸透に時間が掛かります。普段の仕事への姿勢が問われているだけに、研修に一度参加するだけで解決するものではないのです。業務に必要な知識やスキルを身につけることも大切ですが、その土台となる人間性の成長をおろそかにしていては、お客さまに満足していただける商品やサービスを提供することはできません。社員教育で大切なのは、毎日少しずつ、継続するということ。日々の朝礼でプロ意識やホスピタリティをテーマにした記事を読み、感想を述べることで、一人一人の仕事に対する意識が変わっていきます。
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ちょっとがすごい
Eさんには、行きつけのおすし屋さんがあります。カウンター席でゆっくり時間を過ごすのを、週末の楽しみにしていました。従業員はみんな礼儀正しく、居心地のいいお店です。
ある日、隣に座る男性客が、Eさんに続いて握りずしを注文しました。
数分後、同じタイミングで、すしが2人の前に置かれたとき、Eさんはあることに気づきます。
Eさんのすしは右手で取りやすいように置かれているのに、男性の分は左手で取りやすい向きになっていたのです。食べ始めた男性を見ると、確かに左利きでした。何も言われなくても、お客さまに合わせて盛り付ける繊細さに感心しました。
会計時、店長に挨拶してからそのことを褒めると、店長はこう言いました。
「ありがとうございます。あの板前は、若いけれど気遣いができるんです。ちょっとのことなんですが」
「そのちょっとの差がすごいと思うんです。気づかない人が多いからこそ、際立ちますね。ごちそうさまでした」
今日の言葉:上質なサービスは観察力と想像力から
三つの「気」
マナー講師の岩下宣子さんは、礼儀作法において、次のようにアドバイスしています。
最初に相手を思いやる心があり、それが自然に礼儀につながります。思いやりの心は三つの「気」からなり、それは「気遣い」「気配り」「気走り」だといいます。
「気遣い」とは、相手をおもんぱかること。気持ちを察することです。
「気配り」とは、周囲を観察し、不足があればお世話をすることです。
そして「気走り」とは、問題に対して先回りし、未然に手を打つことだと岩下さんは説明します。
この三つは、観察力と想像力を養うことで自然とできるようになるといいます。また、思いやりの心を持ち続けるためには、自分の感情を上手にコントロールすること、状況を俯瞰することが必要だと語ります。
礼儀というと形式が重要に思われますが、大切なのは心の在り方です。心が先にあることを忘れないようにしたいものです。毎日の心づかいの積み重ねが、洗練された振る舞いになるのです。
今日の言葉:思いやりの心を積み重ねましょう